菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜千里の道も一歩から〜

菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜千里の道も一歩から〜

神奈川県議会議員菅原直敏の議会報告のブログです。神奈川県大和市選出。無所属。

大阪府議会調査

調査報告書はこちらです。

第1節 調査の概要

 大阪府議会を訪れ、事務局の職員5名より議会運営等についての説明を受け、意見交換を行った。その後、議会の施設の視察を行った。

第2節 開かれた議会

委員会のネット中継

 大阪府議会では、委員会のネット中継を行っている。委員会室が手狭なため、その代替措置として開始されたようであるが、実質的審議が行われる傾向にある委員会の審議が公開されていることは、県民への情報公開という点でも肝要である。

 また、府議会では、神奈川県議会とは多少手法が異なるが、輪番的質疑(委員が順番に持ち時間を与えられて質問をする手法)が行われている。輪番的な質疑を行うと、質疑を行う議員が一部の議員に限られ、形式的かつ冗長な質疑になりがちであるが、ネットでの中継を見る限り、多くの議員が質問し、そのような雰囲気は感じられない。

 ネット中継をされることで、委員が聞き手である府民を意識することと、後述する知事質問があるためであると考えられる。

議員の人となりを紹介

 大阪府議会のホームページには、「議員のすがたみ」と「議員インタビュー」というページが存在する。

 「議員のすがたみ」のページでは、議員の経歴・一言・事務所の連絡先及びホームページのURLが掲載されている。神奈川県議会のホームページにおける議員の紹介欄には、名前と所属会派しか記載されておらず、それらを選挙区別に閲覧できるのみである。県民がより議員のひととなりを理解し、直接連絡を取れるように、議員個人のホームページのURLの掲載や議員の簡単な一言などを掲載することは早急に行うべきであると考える。もちろん、多少の手間はかかるが予算は生じない。

 また、議員個人のホームページのURLを掲載すると提案すると、決まってでる議論は「ホームページを持っていない議員に対して不公平である」という意見である。確かに一理あるが、一昔前と違い、ホームページにおいて積極的に議会活動を報告する議員が全国的にみても大勢になってきており、県民の知る権利を侵してまでも考慮する意見とも思えない。大阪府議会ではこの問題を、会派に要請してホームページを持っていない議員のホームページを作らせることで対応した。ホームページを持たない議員に対してホームページを持てるように補助する方向で検討した手法は非常に建設的である。

 次に、「議員インタビュー」のページでは、一般質問及び代表質問を行った議員がインタビュー形式でビデオ出演をしている。各議員が自分の質問のポイントなどを自身で説明するこの取り組みは非常に興味深く感じられた。こちらも多少の手間はかかるが、基本的には大きな予算は生じない。開かれた議会を目指す神奈川県議会でも検討に値する。

海外調査報告書のネット公開

 大阪府議会では、海外調査報告書をネット上で公開している。有権者からの批判も多く、各議会において凍結されたり、訴訟を受けたりしている海外調査であるが、その主な理由は、海外調査の内容自体が広く一般に公開されていないことにも起因する。本県議会では、図書室の閲覧コーナーに赴けば、過去の報告資料を見ることができるが、インターネット上で積極的に公開することこそが、より県民の知る権利に資する。本県の場合は、現在ある報告書をPDF形式に変換して公開すればよいので、多少の手間はかかるが、ほとんど費用をかけずに公開が可能である。

第3節 議会運営

常任委員会において知事質問

 大阪府議会では、常任委員会において知事質問という機会が与えられている。常任委員会において、幹部職員の答弁だけでは満足のいく回答が得られなかった場合、別日に知事を答弁者として質問をすることができる制度である。

 2008年度は、知事提案の政策条例について、本県議会でも知事を常任委員会に呼びたい旨の意見が出たが、結局実現しなかった。独自の政策提案する知事に対しては、知事の委員会への招聘を制度化することで、知事に対して意見を求める機会を増やすことも必要であると考えられる。神奈川県議会でも検討に値する制度である。

 さらに、前述した、大阪府議会では期数を重ねた議員でも質問をすることが多い理由であるが、常任委員会で通常質問を行わなければ知事質問を行えないという点が挙げられる。知事質問は、通常質問で生じた疑問点を知事に質す機会であるからである。委員会審議がネットで公開をされている手前、発言の少ない議員は府民から厳しい審判を受けることが、委員会を活性化させている好例である。

質問機会

 大阪府議会では、任期中に最低2回は一般質問の機会を得られるようになっている。任期中に2回という回数も決して多いとは言えないが、定数112名の議会でできることであるから、定数107名の本県においても当面は大阪府議会程度の質問回数を確保したいところである。

交渉会派

 大阪府議会の交渉会派の人数は5名である。本県は8名であるが(以前は5名であった)、より多様な意見が交渉会派として反映されるためには、交渉会派の基準を下げることも検討に値するのではないだろうか。

第4節 その他

常任委員会の調査

 たいていの県議会は、委員会で県外調査を行う。その日程は、2泊3日程度が主である。しかし、府議会では、県外調査の在り方自体を検討し、行っても1泊2日程度が原則となっており、東京程度の距離であれば日帰りの調査が検討されている。基本的には、必要性がありかつ費用対効果の高い場合に限って県外調査を行う意識がある。実際、平成19年度は、知事選挙の関係もあったが、全ての常任委員会で県外調査が行われておらず、また平成20年度も県外調査を行わなかった委員会があった。必要性がなかったためである。特別委員会の県外調査もせいぜい2年に1回程度であった。いずれにせよ、少しでも税金の無駄遣いをなくそうという議会全体の意識も働いているとのことである。

 元来、委員の問題意識は多様であり、それぞれが政務調査費を用いて目的意識の高い効率的な調査を行っていると考えられる。また、インターネット等の情報入手手段も発達し、基本的知見において現地調査をする必要性は一昔前と比較して格段に低くなっている。これらの現状を勘案すると、必ずしも常任委員会の委員全員が、決められた調査日程で毎年定例化して行う必要性は高くなくなってきているし(無論必要性があれば複数回調査を行うこともあり得る)、目的意識の薄い安易な県外調査は税金の適正な運用という点でも問題がある。

 本県議会においても、府議会の意識の高さを見習って、委員会における県外調査の在り方を改める必要がある。

控室の改築費用

 本県議会と同規模の大阪府議会の改選期の控室の改築にかかる費用は572万円である。施設も古く、自由に改築できないという条件下ではあるが、議員もその範囲内で職務を行っている。神奈川県議会では8000万円程度が費用としてかかっている。県財政が厳しい中、0一桁は下げる必要がある。議員自身がもっとこの事実を真剣に受け止めなければならない。

第5節 まとめ

 本県議会より規模の小さい議会で行われている取り組みを、本県で実現しようとするときには、しばしば「議会の規模が違う」という理由から却下されることがある。しかし、大阪府議会は規模としても同程度であり、基本的に府議会でできることが本県議会でできない理由はない。

 特に、情報公開や経費削減の取り組みは、同規模の議会だけに大変参考になる。本県議会でもどんどん検討をしていきたい。