菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜千里の道も一歩から〜

菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜千里の道も一歩から〜

神奈川県議会議員菅原直敏の議会報告のブログです。神奈川県大和市選出。無所属。

住民自治への正しい理解

 「地方分権」或いは「地域主権」(敢えて両概念を区別しない)という言葉が叫ばれるようになって久しいですが、その目指すところは一体何なのかという点について、明確な定義が存在しません。ただ、権限や財源を地方に移譲するべきという主張は多くなされており、これが即ち「地方分権」或いは「地域主権」と考えている人が多いように思われます。つまり、団体自治の拡充の議論です。

 しかし、「地域のことを地域住民が決めること」を地方分権等の本旨と捉えるのであれば、団体自治の拡充は一つの過程でしかありません。なぜなら、いくら団体自治を拡充しても、その移譲された権限や財源を住民が如何に自治していくかという視点が欠落したままでは、「地域のことを地域住民が決めた」ことにならないからです。

 住民投票に法的拘束力を持たせるという論点があります。現在、政府においてもその方向で議論が進められています。しかし、当事者である地方議員からは、住民投票に法的拘束力を持たせることに反対をする意見が根強いのが実際です。私が先日講演した議会でも24名中23名が、住民投票に法的拘束力を持たせることに反対でした。間接民主制を侵害するといった意見や民衆には正しい判断はできないといったものまで反対の理由は様々でした。もちろんこれは一つの価値判断ですから、合っている、間違っているというレヴェルの問題ではありません。

 ただ、私が大変不思議に思うのは、地方議員の多くが「地方分権」や「地域主権」を叫びながら、住民投票に法的拘束力を持たせることに反対をしている人が多いという現状です。なぜなら、「地方分権」や「地域主権」の論理的帰結には、当然のこととして住民投票に法的拘束力を持たせるという住民自治の基本的な制度設計が不可欠だからです。従って、住民投票に法的拘束力を認めない者が、「地方分権」や「地域主権」を声高に訴えることは大きな論理矛盾をきたしていることになります。

 

 先日の片山善博総務大臣の講演の中で大変興味深い部分がありました。「直接民主制を制度として認めることは、間接民主制である議会の権限を侵すことになるとの意見があるが、これは大きな間違いである。なぜなら、議会や行政の権限は本来住民から授権されたものだからである。」といった趣旨でした。まさに卓見です。日本は議会すらも国によって与えられた機関であり、住民も議員も議会の正統性について考える機会はほとんどありませんでした。その為、世界的には当たり前な自治の基本についても多くの誤解が生まれています。

 私は、住民自治についての正しい理解が浸透したときに初めて、地方自治制度改革は実質的な意義を持つと考えます。