菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜千里の道も一歩から〜

菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜千里の道も一歩から〜

神奈川県議会議員菅原直敏の議会報告のブログです。神奈川県大和市選出。無所属。

議員報酬削減が何故「議会改革」なのか、都議の皆さんご説明を。

 

 

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報酬削減等は議会改革か?

 

2月15日の新聞各社の報道によると、「議会改革」の名の下に都議会の主要会派から報酬削減などの条例案の提案が行われているとのことでした。

 

基本的に都議会のことは、神奈川県民である私には直接関係のないことなので、意見をする立場にはないと考えています。しかし、昨年の小池百合子知事の就任以来、幸か不幸か神奈川県でも都政のニュースばかりが流れ、都議会の一挙手一投足が地方議会全体のことと同視されることも少なくない上、有権者にご意見を求められることもあるので、議会のあり方に関わる報酬の削減などについて、何故改革になるのかを説明して欲しいと思っています。

 

ちなみに、報道によると論点としては以下があるようです。基本的に私は①、③には賛成です(神奈川県議会では費用弁償は既に廃止されています)。②は議員の政策能力向上の観点からより総合的な議論が必要だと思います。

  • 議員報酬削減
  • 政務活動費削減
  • 費用弁償の廃止

 

 

大人の事情?

 

「選挙が近い」かつ「メディアが注目している」という、大人の事情もあるのだと思います。でも、それだけで、報酬削減などを提案しているとしたら、少し安直です。東京都議会ではここまで大胆な報酬削減等は今任期においてまともに議論されてきていないとお見受けしています。また、東京都の財政事情は他の自治体と違い悪くはありません。

 

従って、仮に大人の事情が本当の理由であっても、それなりの形式的理由は示すべきです。

 

ちなみに、私は「単なる報酬削減」は「議会改革」であるという考え方には立ちません。単なる報酬削減は、財政運営や有権者への心情的配慮から議論されるものであると考えているからです。議員報酬削減が改革になるためには、例えば議員報酬の削減分を議員の政策能力向上などに用いるといった複合的な観点が必要なのではないかと思います。

 

 

神奈川県議会の現状

 

神奈川県では、昨年の第1回定例会(平成28年3月22日)において、知事・副知事、県議会議員、職員などの給与を引き上げる以下の4つの条例が上程されました。自民党、旧民主党、公明党の主要会派は全て賛成しています(共産党は知事と県議の引き上げには反対)。私は賛否の良い悪いを述べるつもりはありません、事実です。

 

・知事及び副知事の給与等に関する条例等の一部を改正する条例

・県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例

・職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例

・学校職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例

 

なお、私の所属する会派は全ての条例案に反対しました。理由は単純です。神奈川県の財政が厳しいからです。

 

以下は、平成28年2月15日に行われた知事の提案説明の県財政にかかる内容の一部です。

 

「平成28年度の当初予算編成は、650億円の財源不足からスタートしました。その後、歳入面で、県税や地方譲与税は増収が見込めたものの、一方で地方交付税等の大幅な減額を見込まざるを得なくなったことに加え、歳出面では、人事委員会勧告に基づく給与改定や、マイナンバー制度の稼働に伴う情報セキュリティーの強化などの国予算への対応等、追加の財政需要が生じたことから、さらに財源不足が拡大しました。

 このため、徹底した施策・事業の見直しなどに全庁を挙げて取り組んでまいりましたが、平成28年度予算での対応だけでは財源不足を解消することができず、企業収益の拡大や徴収努力などによる県税の増収、また不用県有財産の積極的な売却などにより27年度に生じた財源を活用して、ようやく収支を均衡させたところです。」

 

知事も認めているように、県財政は非常に厳しい状況にあります。赤字会社で給与があがることは民間では考えられません。職員の皆さんは頑張っていらっしゃると思いますし、大変申し訳なかったのですが、財政的な観点から給与引き上げには悩みながらも反対しました。

 

なお、知事や議員といった特別職については、経営について一定の責任があるわけですから、給与や報酬を引き下げることがあっても引き上げることは想定できませんでした。従って、強い意志を持って反対しました。

 

 

まとめ

 

実は本県の今定例会にも同様の条例が2年連続で上程されています。一方で、今回の知事の提案説明でも昨年同様財政の厳しさを強調されていました。あくまでも現時点の雰囲気ですが、昨年同様全ての議案が賛成多数で可決されそうな感じです。

 

財政状況も悪くない東京都議会では議員報酬の削減が「議会改革」であるという論調が大勢になっています。特に自民党、民進党、公明党などの国政政党の会派は、神奈川県議会にも存在します。

 

国政政党として、両議会の議員報酬削減に対する足並みが揃わなくてもよいのでしょうか?

報酬引き上げに動いている神奈川県議会の会派は非改革的とうことでしょうか?

個別の自治体ごとに事情は違うので一概には言えないということでしょうか?

 

以上より、東京都議会の「議員報酬削減」が本当に改革だと思って提案をしているのであれば、その理由を明示してほしいです。

 

単なる選挙目当てであれば逆にやめてほしいと思います。有権者はそういう上辺の姿勢を見透かします。また、全国で真面目に働いている大半の地方議員の皆さんにとっても、誤った議会改革の印象が広まり迷惑がかかります。

 

現在の東京都議会のメディアでの取り上げられ方を考慮すると、都議会内部のことといえども、残念ながら地方議会全体のことと捉えられてしまいます。都議会議員の皆さんの行動にお付き合いせざるを得ないのです。

 

都議会議員の皆様におかれましては、全国の地方議員の印象を背負っているという責任感をもって、報酬削減等が何故議会改革なのかという理由をしっかり説明して欲しいと思います。

千里の道も一歩から

 

菅原直敏