菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜千里の道も一歩から〜

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神奈川県議会議員菅原直敏の議会報告のブログです。神奈川県大和市選出。無所属。

教育現場における医療的ケア児の支援~真のインクルーシブ教育とは

神奈川県議会、文教常任委員会(平成29628)が開催されました。

 

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今回は、共生社会の実現とインクルーシブ教育についてというテーマについて、ソーシャルワーカーの視点から質疑を行いました。

 

具体的には大きく2点です。教育現場における共生社会づくりにかかわる人づくりに資する教育についてと教育現場における医療的ケア児への対応についてです。

 

最初に、教育現場における共生社会づくりにかかわる人づくりに資する教育については、教育指導要領の範囲に留まらない教育の必要性について持論を述べました。現代社会や家庭総合の教科書で取り扱われている内容は、障害への理解という点が不足しているため、実社会での実践に繋がりにくいためです。

 

また、外国につながりのある児童・生徒との共生という点では、日本語教育支援の拡充にも触れました。日本語の能力が十分でないために、自らが望む進路に進めず、一般的な日本人との生活力の差に結果的になってしまっていることもあるためです。

 

最後は、教育現場における医療的ケア児の支援についてです。医療的ケア児とは、生活の中で医療的ケア(たんの吸引、経管栄養等)が必要な児童のことです。新生児医療の発達によりNICU(新生児集中治療室)が整備され、かつては出産直後になくなっていた子供たちが助かるようになり、増加傾向にあります。

 

彼らは医療的ケアが受けられる環境にあれば、どこでも生活をしていくことができますが、特別支援学校を除く教育現場では看護師等の配置が十分でなく、家族がつきっきりでかかわる人的負担や、医療的ケアを実施できる人員を配置するための経済負担が大きな課題となっています。

 

今回の私の提案は明快です。教育現場における訪問看護師の活用も含めて、医療的ケア児が教育現場で問題なく生活できる環境の整備です。

 

なお、平成2851日時点で、神奈川県内の教育現場には499名の医療的ケア児がいます。その内、看護師の配置されている特別支援学校以外で生活をする医療的ケア児は33名います。「まずは」、彼らに対する対応が課題です。

 

33名の内、10名がいる川崎市では、公立学校における医療的ケア児が訪問看護を活用できる環境を整備しました。10名に対して年間にかかる額は約1200万円とのことです。本県で、政令市を除く県域で公立学校に通う医療的ケア児は14名です。したがって、全員を訪問看護で対応した場合に費用は1800万円程度と試算できます。

 

仮に訪問看護の利用を前提とするならば、この教育現場に医療的ケア児の課題を解決するために年間1800万円投じることができるのかという論点に置き換えられるかもしれません。

 

先日の代表質問で教育長が答弁された「県立特別支援学校に配置された看護師が小・中学校を巡回する」ことも含めて、様々な方法を机上に乗せ議論し、早急に環境整備を進めるべきと考えます。また、必ずしも県単独でやらなければならないわけではなく、市町村が主体的に環境整備を進めることを促すことも必要です。

 

「次に」、教育現場における医療的ケア児の議論は、小・中学校の生徒に限定されがちですが、特別支援学校に在籍する医療的ケア児についても、インクルーシブ教育という点からは考慮しなければなりません。つまり、小・中学校の医療的ケア児に対する環境が不十分であるために、看護師がいる特別支援学校に進学している児童・生徒がいるかもしれないからです。対象となる児童・生徒は271名です。彼らに網羅的な意向調査を行うことも提案しました。

 

通常の学校で教育を受けたいと思っている子供たちすべてにその機会を提供していくことが、県の進めるインクルーシブ教育の真の理念にかなうと考えます。

 

福祉にかかわる者としては、年度内に補正予算を組んででも実行に移してほしいところですが、教育局の検討結果も含めて遅くとも来年度までには環境整備を進めたいです。

 

人を既存の制度に合わせるのではなく、制度を人に合わせる柔軟な対応が今後の行政に求められることであると考えます。

 

この課題については、他にも国の法制度の課題もあります。今年度は順を追って、医療的ケア児について取り上げていきたいと思います。

千里の道も一歩から

神奈川県議会議員 

菅原直敏