菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜千里の道も一歩から〜

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神奈川県議会議員菅原直敏の議会報告のブログです。神奈川県大和市選出。無所属。

2017年文教常任委員会県外調査2日目〜県立図書館のあり方とは

2017年文教常任委員会県外調査2日目

 

神奈川県議会文教常任委員会視察で、北海道総合体育センターと北海道立図書館に行きました。

 

1.北海道総合体育センターの運営とスポーツ行政のあり方

 

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北海道総合体育センターは、平成12年に開館した道立の体育センターです。東北以北では最大の屋根付き体育館です。メインアリーナの収容人数は最大10,000人で、スポーツの国際大会だけでなく、コンサートなどにも用いられています。

 

神奈川県では、藤沢市にある県立の体育センター等の再整備事業を行っています。ここで二つのポイントがあります。運営の方法と所管部局のあり方です。

 

道立の体育センターの運営は、(財)北海道体育協会が指定管理者として請け負っています。また、所管部局は、環境生活部文化・スポーツ局スポーツ振興課になります。

 

今まで、スポーツ行政というと教育委員会が所管することも少なくなかったのですが、生涯スポーツの普及やスポーツ自体が教育現場のみにとらわれないこともあり、全国的にもスポーツ関係の施設の所管を教育部局から分離する流れがあります。これは、平成19年の「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正により、教育委員会の所掌事務のうち、文化(文化財保護を除く)、スポーツ(学校における体育を除く)に関する事務は、地方公共団体の判断により、知事が担当できることとなったことも影響しています。北海道では平成23年に「総合的な文化・スポーツ行政の推進に関する方針」を策定し、スポーツ行政の教育委員会からの分離を進めています。

 

また、時を同じくして、運営についても公設公営ではなく、指定管理者や PFI手法の導入など、多様な運営方法が確立されてきました。

 

広く県民がスポーツに親しんでいける環境を作っていく上でどのような手法が適切なのかを、今回の視察も踏まえて、本県の新しい体育センターにおける議論で深めていきます。

 

2.北海道立図書館と県立図書館の意義

 

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写真:懐かしい(というよりも私が生まれるはるか前)漫画本も保管されている

 

北海道立図書館は、大正15年に北海道庁立図書館として札幌市内に開館し、昭和42年に江別市に移転し、親切されました。蔵書数は112万点以上あり、北方領土関係の資料などが充実しています。運営方針として、「図書館のセンターとして—図書館の図書館-」、「参考図書館として-何でもわかる図書館-」及び「全域サービスの図書館として-道民みんなの図書館-」を掲げています。

 

現在、再整備が検討されている神奈川県立図書館と比較して、地域性を除けば特段目新しいことがあるわけではありませんが、共通の課題があり、その点について参考になりました。

 

まず、政令市の図書館との関係です。政令市である札幌市内には多くの図書館が運営されており、全体での蔵書数は255万点以上、中央図書館単体でも87万点もの蔵書があります。道立図書館の役割の一つとして道内の市町村図書館との支援・連携が挙げられますが、政令市の図書館はその規模から、県と市という垂直的な支援は求められていません。

 

本件でも同様の課題を抱えています。神奈川県立図書館の蔵書数は100万点以上ですが、横浜市中央図書館は165万点以上です。元々、横浜市中央図書館の方が設立が古く、県の中央図書館の役割を戦後に担ってきた経緯もあり、横浜市中央図書館の方がむしろ様々な面で機能が充実しています。また、川崎市や相模原市だけでなく、神奈川県内の市は比較的財政基盤の強い自治体も多く、それらの市営図書館は県の支援を求めることは限定的であると考えられます。

 

まして、神奈川県立図書館と横浜市中央図書館は徒歩で10分とかからない至近に存在し、仮に同じ機能や業務を引き続き行うのであれば、重複的であり、行政的な非効率を生み続けます。

 

次に、県立図書館の業務はどうあるべきかという点です。道立図書館においては長らく貸出業務を行なって来ず、10年ほど前に貸出業務を始めたとのことでした。しかし、広い北海道において直接道立図書館に訪れることができる道民はむしろ少数派であり、市町村立の図書館でも借りることができるような一般的な書籍の貸出業務を行う必要性があるのかは検討の余地があります。

 

特に、本県では図書館が比較的充実している自治体が多い上に、そうでない自治体であっても自治体間の連携によって書籍を借りることができるため、むしろ自治体間の横のネットワークをいかに拡充していくのかという方向性の方が需要であると考えられます。

 

一方で、県立図書館だからこその役割もあると考えます。道立図書館では北方領土関係の資料や道内で発行されている地域新聞や歴史的資料などを保管しています。このような道にかかる資料の保管はまさに道立図書館の役割といえると思います。また、これらをデジタル化するなどして、誰にでもアクセスできるようにしていくことも急がれます。ただ、この点についても、公文書館との住み分けをどうするのかという点は議論しなければなりません。

 

本県に県立図書館が初めて整備された1954年から半世紀以上経ち、図書館を取り巻く環境や求められるものも大きく変わりました。インターネットの発達により、自宅や携帯端末によって書籍を読む人が増加していることや各自治体の図書館の充実化の進展も無視してはなりません。

 

今回の北海道図書館の視察では、ここら辺の論点を整理する良い機会になりました。

 

委員会でも必要があるごとに取り上げていきたいと思います。

 

千里の道も一歩から

 

神奈川県議会議員

 

菅原直敏