菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜千里の道も一歩から〜

菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜千里の道も一歩から〜

神奈川県議会議員菅原直敏の議会報告のブログです。神奈川県大和市選出。無所属。

「くれくれ福祉」からの脱却

広い意味で社会保障をも含む福祉は、弱者支援という側面から、比較的「公助」に頼る事が多い分野です。しかし、今の議会や行政で扱われている福祉はあまりにも公助により過ぎではないかという問題意識をもう一方で抱いてきました。

なにかにつけ「あれしろ。」「人出せ。」「ものだせ。」というカネ・ヒト・モノを要求する要望・陳情(これを私は便宜的に「くれくれ福祉」と呼ぶ)が議会では主に展開されています。そして、できなければ「行政の怠慢」「首長のやる気がない」などと行政批判に終止する。共産党さんあたりがこの手のことの専売特許と思いきや、福祉の分野になると、普段理性的だと思われていた議員さんも意外とこの類いになったりします。

もちろん、福祉の性質上「公助」が大きな役割を果たさざるを得ないのは仕方のない事です。しかし、これが行き過ぎて何事が起きても即ち「公助にまず飛びつこうとする」ような公助至上主義又は公助第一主義のあり方は大きな問題があると思うのです。なぜなら、公助による解決とは即ち税金を投入する事とほぼ同義であり、なんでもかんでも公助によることは増税や次世代への負担の先送りを助長する事になるからです(それでもよいのだという立場の人がいるならば別ですが)。

「福祉の充実」を訴える議員は星の数程いる割に、「税負担の適正化」を訴える議員は非常に少ない。即ち、現在多くの議会で展開されている公助拡充への議論は破綻しています。結果、ごまかしごまかし微増税し、あとは次世代へと負担を転嫁し続けています。

私は行財政改革を初当選以来の訴えの柱に掲げてきましたが、この「くれくれ福祉」からの脱却は、行財政改革を語る上で避けて通れない難題であるとある時に気付きました。なぜなら、国や地方の予算で最も大きな割合を占めるのが扶助費や民生費であり、少子高齢化という日本の人口構造はもはや経済成長すらも飲み込んでしまう大きな魔物になってしまったからです。事業仕分けのごとき、福祉分野以外における節約運動では焼け石に水です(もちろんやらないよりはましですが)。

介護・福祉を政策すべきだという私の訴えは、実はこのような自分が辿ってきた議会人としての経験が背景にあります。

「くれくれ福祉」からの脱却とは、公助でしか支えられない人は除いて、基本的にはまず「自助」、次に「共助」の順で支える仕組みを構築しようとする取り組みに他なりません。

例えば、高齢者虐待の件数は年々右肩上がりです。虐待数を抑制する為に最も効果的な方法の一つは、虐待をする人(大部分は家族)が悩みを抱えずに気軽に相談できる環境を整備する事です。しかし、公助第一主義だとこのような案件に対してまず相談窓口の拡充や相談員の増員が検討されます。即ち税負担ができるかどうかの問題になります。

しかし、現場で家族のお話を伺ってみるとわかるのですが、大半の家族の抱える悩みというのは専門家が聞かなければならないようなものではなく、むしろ同じ境遇にいる者同士が茶飲み話で発散できてしまうようなものも少なくありません。

とするならば、地域毎に認知症カフェのような「場」を地域の人達の共助の仕組みで作っていく事を促していけば税金をほとんど投入する事なく(せいぜい公の場を無料または安価に提供する程度)、家族の悩みも解消し、虐待件数を抑制していくという効果が期待できるのです。

以上、色々と述べましたが、公助に飛びつく前に、公助によらないで済む知恵を絞りましょうということでした。