湘南、辻堂西海岸にある辻堂団地(UR)の一角にある「遊びリパーク リノア(NPO法人ラウレア)」を見学してきました。
リノアは肢体不自由児(小学生〜高校生)を対象とした放課後等デイサービスを主な事業としています。
理事長の横川さんらが、設立前から地域のニーズをくみ取りながら作り上げたという点では、地域共存型デイサービスと言えるかもしれません。実際、地域の方々が参加できるズンバ教室等も開催しています。
放課後等デイサービスは初めての見学でしたが、制度が抱えるメリット・デメリットも含めて色々勉強させて頂きました。
1.とにかく広い
URから借用しているテナントスペースはとにかく広い。平米数は確認しませんでしたが、イメージとしてはちょっとしたドラッグストアや小規模なスーパーくらいの広さです。
この広いスペースを縦横無尽に子供達が駆け回れます。しかも定員は10名。トランポリンや滑り台などの巨大遊具やスパイダーという立位が困難な子供が使う面白い遊具もスペースを気にせず贅沢に配置されています。
おそらく国内でも有数の広さの放課後等デイサービスではないかと思われます。
2.専門職配置へのこだわり
放課後等デイサービスと一口に言っても様々な形態があるそうです。家族のレスパイトを目的とするもの、塾のような勉強中心のもの、子供の遊び場を提供するもの。また、近年では民間のフランチャイズの事業者の参入も増えており、中には「介護業界未経験でも問題無し!」大々的にアピールするフランチャイズ本部もあります。
確かに、施設を稼働させ、収益をあげるという点にのみフォーカスするのであれば、未経験の集団のみでもデイサービスを稼働させていくこともできるかもしれませんし、人件費も抑制でき収益率も上がると思います。
しかし、このような大きな潮流がある一方で、リノアは専門職の配置に拘っています。私が訪れた日にも、作業療法士、看護師等の専門職の方がおりました。県内でもOTと看護師といった専門職を配置しているデイは珍しいそうです。
専門職を配置すれば人件費もあがるけれど、敢えてそうするのはリノアの目的である「遊ぶ力を伸ばし、学ぶ力を身につけ、生きる力を育んでいくこと」を実践するためです。
こういう拘りは私は好きですし、こういう拘りのある事業者があることで、フランチャイズとの差別化もはかれ、利用する児童の選択肢も広がり相乗効果になると思います。
3.子供達の未来のキャリアデザイン
利用している中学生の女の子が、別の小学生の男の子のよだれを拭いている風景がありました。その子は将来看護師さんになりたいそうです。
一方で、現実はそんなに簡単ではありません。18歳を過ぎて彼らの大半が選べる選択肢はほとんどないのが現状です。
しかし、作業療法士の大郷さんは「子供たちがもっと多様な将来を進んでいけるような取り組みもしていきたい」旨のお話をされてました。障害児の未来のキャリアデザインです。また、「子供たちに社会性を身につけさせたい」と言っていたのも印象的でした。
今後は広大なスペースを活用して、放課後等デイサービス以外のサービスや活動を展開していくことも検討されているそうです。
湘南地域での壮大な挑戦。期待しています。
横川さん、大郷さんそして対応して頂いた職員のみなさん、ありがとうございました!
千里の道も一歩から
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